おさかなはフィッシュ

ドライブ・マイ・カーのおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.5
この世にどうして演劇があるのか分かったような気にさせてくれて、映画はそのための(客席のみさきを映すための)一つの機構のような、そういう作品だった。
その意味で言うと、最後のシーンは無い方が好きだったな。映画が役割に徹し過ぎているというか……。あとはこちらでやるので大丈夫、と言いたくなった。
(自分が北海道出身だからかもしれないけれど、“土砂崩れ”というモチーフも、現実との結びつきがあまりにも直接的だった。北海道で記憶に残るような土砂崩れはそう頻繁に起こるものではないので、現実の特定の災害が思い起こされてしまう。(原作から変えている部分なのでなおさら。))



いい映画を観た、という気分でうれしい。3時間はさすがに長かったけれど。
村上春樹作品の映画化ということで興味を持って観に行ったけれど、どちらかと言うと『ワーニャ伯父さん』の映画化だった。

久しぶりにみなとみらいのあたりを歩いて、やはり雰囲気が好きだなと思った。もうあまり来ることもないと思ったので、夜風を髪に含ませておいた。
kino cinema 横浜みなとみらいにて鑑賞。