おさかなはフィッシュ

異邦人 デジタル復元版のおさかなはフィッシュのレビュー・感想・評価

異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)
3.0
この映画で久しぶりにカミュの『異邦人』に触れたけれど、オーラスはマジで名文よね。
どこか涅槃のような夏の夜。「このしるしと星々とに満ちた夜を前にして、私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。」
ああ、世界はなんと優しく、そしてどこまでも厳しいのだろうか……。思わず涙が出そうになる。

私だったらここで満天の星空でも映してしまいそうなものだけれど、さすがヴィスコンティ、ムルソーの表情のどアップで真っ暗になって終わる。怖っ。厳しい人。きっとそういうところが好きなんだと思う……。



マルチェロ・マストロヤンニはムルソーにはちょっと優男すぎるよね。

ヴィスコンティ作品の中でも数少ない未観だったやつ。
早稲田松竹にて鑑賞。