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ミークス・カットオフのらのネタバレレビュー・内容・結末

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

とても地味な西部劇だけど良かった。ひたすら移動に次ぐ移動で、ライカート得意のショットが冴え渡っている。開拓者一行のどうにもならない不安ーー信用できない男ミークと、信用できない(というより文化も言語も道徳的な価値観も全く違い理解できない)原住民に案内を任せるしかない状況により、さらに高まる不安ーーと、主人公エミリーを筆頭とする女性たちの息苦しさや閉塞感を表すように画面比はスタンダード・サイズが用いられる。せっかく広大な荒野が舞台であるのに。いや、舞台が広大であるからこそ、一行の心情と対比をなすようにしてスタンダード・サイズの画面比が説得力を持つ。

基本的にプロットはシンプルながら、僅かに逸脱していく気持ち良さがライカートの作品にはある。当然、本作も普通の西部劇になるわけがないとは思っていたが、はっきりとした結末をつけずに宙ぶらりんで終わるラストも含め、やっぱり気持ちよく裏切られた。
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