どーもキューブ

ラストタンゴ・イン・パリのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ベルトルッチの黒いタンゴ



 2010年8月15日 11時14分レビュー

 

1972年作品、製作脚本監督ベルナルドベルトルッチ。全米批評家協会賞、NY批評家協会賞受賞マーロンブランドン。撮影ヴィットリオ・ストラーロ。 

2010年自宅鑑賞ベストワン「1900年」、圧倒的な分厚い伊農民農地解放、デニーロ、ドパルデューの若き演技、生々しい描写、暴力と性。昨年から密かにベルトルッチブーム。出会いは、高校の「ラストエンペラー」。

坂本教授のサントラは、ユーアンドアイの貸しレコード屋からダビング、激聞き込み。日曜洋画劇場、ビデオ鑑賞、完全版二巻組みビデオ鑑賞と三回見ました。そんな、ベルトリッチ体験です。

それから昨年見た「シェルタリングスカイ」の砂の旅のラブエロスに迷い、今年の「1900年」でノックアウト。 

本作実は、一回挫折済み。本作と「愛のコリーダ」は、ずーっと気になっていたディ-プエロス大作。公開時、上映禁止のニュース。ジャケの全裸に二人、エロス的に描写大丈夫かな?アダルトビデオかい?の心配。そんな思いで鑑賞です。





やはり面白いなぁと思いました。いやーチクショウっ、なんか、中盤まで、大丈夫かな?と思いつつ、ラスト付近でかなりやられましたね。非常に良かった。

物語はいたって、退廃的。セクシャルもそんなに無い、が強烈なハードアクトが待っています。注意女性の方は、嫌悪覚悟でお願いします。

絶望感に支配されたマーロンブランドン。自暴自棄な感じ、やっぱり何言ってるかわからない癖あり悪親父を演じてます。訳ありなラブに絡めとられた夫婦家族事情。

なんか、こ汚い、偏屈親父っぽくて、なんかマーロンの素なんじゃないかと思っちゃいます。

さすがですね、このふてぶてしい、すべての「女性」を敵にまわすだらしなさ必見。とても「ゴットファーザー」でドンを演じた貫禄まるで無し、ぶっ潰しです。

物語は、とある日、アパートで若々しいマリアシュナイダーと出会い、メイクラブ、、それはマイナスなマッチメイクラブ。出会いも二人のラブもどこか暗いラブ。
 訳あり二人の奇妙でセクシャルなルーム。マリアのふわふわした恋人の存在、マーロンの過去、二人の結末はいかに?

撮影のウ゛ィットリオストラートがとにかく素晴らしい。もう題材が根暗で、捻じ曲がってるのによくこんなに「美しい映像」が撮れるのか不思議です。

私はラストの素晴らしい二人のドラマ的踊りの調べにやられました。ラスト付近が閉鎖的空間から広い空間へ画面が、放たれます。

物理的、視覚的解放の原則。視野が、開かれる、閉鎖から開放される美しさ、暗さから明るい空間、とても気持ちがよい。だけど状況は、最悪、、、。

おまけ過ぎるジャンピエールレオーが笑えます。 
なんか全然必要ない役柄です。ゴダールの「男性・女性」のレオーみたいです。
とにかくやかましい、やたら、情熱的、、(笑)

勿論、マーロンブランドンのわがままな毒、いやらしさが単なる変態にすり替わるむかつき演技は、見所。 
素晴らしい憎しみを体現してます。

マリアシュナイダーも体当たりで頑張ってます。あるシーンから以後マリアは実生活でも傷をおってしまったとか?

ベルトルッチのセクシャルなラブ。それは、自堕落で一方的で二人よがりなラブ。 

熱愛するジャンピエールレオーがどこかマトモに見えてしまう。

結末はラストタンゴインパリなんです!

ベルトリッチの黄色くて乱暴なラブ、最後のタンゴをパリで踊るとは?

ベルトルッチの黒いタンゴとはいったい?
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