TAK44マグナム

アドベンチャーランドへようこそのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.0
「ソーシャルネットワーク」「ゾンビランド」のジェシー・アイゼンバーグ、「トワイライトシリーズ」のクリスティン・スチュワート共演の青春映画。 
脇を固めるのはデッドプールでグリーンランタンな男であるライアン・レイノルズとか、「ピラニアリターンズ」のマット・ブッシュとか。 
現在の目でみると、意外と豪華なキャストだったりしますね。 
といっても2009年の映画なんだけど。 

割と淡々としていて、地味目な感じですが、やたらと「ロック・ミー・アマデウス」が遊園地でかかっていたりするし、1987年という舞台が個人的にも青春時代にちょっとリンクしちゃったりして、なんだか甘酢っぱくも切ない思いが胸に蘇っちゃうところでしたよ。 

登場人物は多いですが、よくある青春ものみたいに群像劇とまではなっておらず、ほぼ主人公二人に話は絞られています。 
しかし、脇を彩るみなさんのキャラがきちんとたってらっしゃるのは流石です。遊園地の経営者夫妻、ユダヤ系ってだけで振られちゃう可哀想な友人、いつも金玉にパンチしてくる全開中学生な幼馴染、奥さんがいながら毎夏バイトの女の子と浮気する田舎者なのに都会派を気取る嘘つきの整備士・・・などなど、一癖も二癖もある連中が絡んでくる中、ラストに主人公たちがどんな決断をして、どんな未来を選ぶのか? 
正直、ストーリーは単純で、ドラマにあまり起伏がない感じです。 
でも、アメリカならではの青春時代の悩みみたいなものが描かれていて、興味深く鑑賞できました。 

ジェシー・アイゼンバーグ演じるジェームスは、冴えない文学青年という設定の割にはモテモテになっちゃうのが何だかなあですが、まあまあキャラクターの底にある繊細さみたいなものは感じ取れましたね。 
でもねえ・・・あんまり共感はできなかったんですよねえ。 
なんであんなにモテて、友達にも恵まれるんだろう? 
基本的には優しく、自分に正直で、とりあえず隠し事はできないタイプなのは分かるんだけど、すぐに別の女の子のオッパイをモミモミできる豪傑童貞という別の顔も持っているんだけどなあ。 


クリスティン・スチュワートは、私生活は全力でエロな人なのに、ここでは性に奔放な役のはずがエロは抑え目なのが残念でしたね(←何が?) 
これからやるぞ!!ってところで映画は終わりましたから。 


脳内が中学生のまんま止まっているマット・ブッシュと、イメージそのままに適当に吹かしこいてナンパしまくっているダメ男のライアン・レイノルズも良かったですね。 


最近の邦画でもよくある、(悩んでいるんだか悩んでいないんだかよく分からないキャラたちが、あっち行ったりこっち行ったりする)掴みどころのない、ちょっとアンニュイな風味の青春映画です。 
もっとも、もっとカラっとしていて、クスクス笑えるところがいかにもアメリカ的なのですが・・・。