Eryyy678

マレフィセントのEryyy678のレビュー・感想・評価

マレフィセント(2014年製作の映画)
4.0
ディズニーを代表するヴィランの一人、マレフィセント。
この映画で描かれるのは、眠れる森の美女の″悪役〟としての彼女ではない。いわばアナザーストーリー。

真実の愛とはなにか?がこの作品のテーマでしょう。

マレフィセントにはかつて愛した男がいたが、裏切りに遭い、憎しみに駆られた彼女は、その男の娘に呪いをかける。ただし、「真実の愛のキス」によって呪いは解かれるという条件はつけた。真実の愛など存在しないと彼女は確信していたから。

ステファンは、マレフィセントと愛し合っていたが、堕落して欲望に取り憑かれる。彼女を殺せば、彼は手柄を手に入れ王になることができたんだけど、命までは奪えず翼だけを奪った。王になった彼は、娘に呪いをかけられ絶望し、呪いから守るためとはいえ、娘を城から遠ざける。

呪いのことを知らずに育つ、純真無垢なオーロラ姫。彼女を影で見守るマレフィセント。そして、マレフィセントへの憎しみと執念に支配されるステファン王。

「真実の愛など存在しない」
奇しくも同じ言葉を発した2人の男女。けれど、このどちらかは真実の愛を手に入れることができた、というのはなんとも皮肉な話です。

この映画はマレフィセントとオーロラのストーリーであると同時に、マレフィセントとステファンのストーリーでもあったのかなと。

強力な戦闘能力を持つマレフィセントにも弱点がある。
「鉄」の重装に身を固めた兵士達。
燃え盛る炎の中、マレフィセントを取り囲む鉄の盾。そして現れるステファン王。彼女の翼を奪った時と同じように、「鎖」を握りしめ彼女と対峙する王の姿は、まさに彼の「狂気」を象徴するかのようです。
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