ガブXスカイウォーカー

キャプテンハーロックのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

キャプテンハーロック(2013年製作の映画)
3.9
原作漫画、TVアニメ版、映画版、OVA版など、過去のどのハーロックサーガともリンクしないオリジナルストーリー。福井晴敏、竹内清人脚本のハーロックは、自らの地球を荒廃させたあやまちを償うために戦うなどじつに斬新だ。

荒牧伸志監督による、制作費数十億円をかけた(と言われる)3DCG映像は見応えたっぷり。アルカディア号の艦首のドクロは恐ろしいくらいの迫力物だし、アレンジされたハーロックたちのキャラクターデザインもなかなか魅力的である(ただしトチローはイマイチ)。

キャストも、キャプテンハーロック:小栗旬、ヤマ:三浦春馬、ミーメ:蒼井優、ヤッタラン:古田新太、トリさん:福田彩乃ら有名俳優、タレントがメインキャラを好演。脇は森川智之、坂本真綾、沢城みゆき、小林清志、大塚周夫ら実力派声優がしっかりと固めている。

しかし、話は暗い。ひたすら暗い。そもそも今の時代(公開は2013年)に『宇宙海賊キャプテンハーロック』自体が、いかにアレンジを加えようと一般観客層に受けるのは難しい。みごとに興行成績がズッコケたのも当然と言えよう。

いや、スタッフだってヒットするなんて初めから考えていなかったんじゃないのか? 税金対策や技術進歩のために企画したのでは? なんて思ったりして。とにかく今作はクォリティは高いので観て損はない。ましてや松本零士ファン、キャプテンハーロックファンならば必見の出来である。興味をお持ちになられた方がいたら、ぜひTV放映、配信などの際には視聴してほしい。