ロビン

幸せのバランスのロビンのレビュー・感想・評価

幸せのバランス(2012年製作の映画)
3.7
イタリア映画。
たった一度の過ちから人生を狂わせて転落していく中年男性の悲哀を描くヒューマンドラマ。

不倫の代償ため家族との別居を決めた主人。
主人公が家を出た時は、公務員で定職もあってなんとかなるという考えだったのだろう。
しかしながら、住んでた家の住宅ローンも払って車のローンを払って、子供達の生活費も払って、そして別居したらそこの家賃も払わなくてはならないし、自分の生活費もかかる。
そして追い詰められるように普通の生活なんかできなくなり、ついに車の中で生活するホームレス状態になってしまう。

浮気という自分が撒いた種とはいえ、あまりにも悲惨過ぎる。。
それに彼は家を追い出されて生活していくのが苦しいのだから、浮気相手から一緒に暮らさないかと誘われた時、その申し出を受け入れることもできた。
しかし、そうしなかったのは本気で奥さんとの関係を修復したかったからだし、子供達と一緒に暮らしたかったからに違いない。

そして主人公これだけ追い詰めらてるのに「お金がない!もう首が回らない!住むところもない!助けて欲しい!」という現状をプライドが邪魔して家族に言えない。
そして貧困でだんだん精神状態までおかしくなっていく描写が辛過ぎる。
そしてラストに主人公の選んだ結末は。。

教会での炊き出し的な昼食会の光景を見ても、生活に困ってホームレスになっているような人って、実は老若男女大勢いて普通の人だったりする。
この作品を観ていて誰もがいつ何かの拍子で、同じ立場になっても不思議じゃないと感じた。。


【ネタバレ】
  ↓



しかしながらその父親の異変を娘ちゃんは察知する。
この娘ちゃんがとってもいいコだったのが救い。
ロビン

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