小波norisuke

ローマの教室で 我らの佳き日々の小波norisukeのレビュー・感想・評価

4.0
人間は幾つになっても皆不完全で、誰かが自分のことを気にかけてくれたり、心配してくれているとわかっていると安心したりする。まして子どもであれば、頼れる大人に見守ってもらいたいのは当然だろう。高校生ともなると、大人との関係に距離ができるけれど、それでもこんなに切実に、愛されることを欲しているのだと、胸を衝かれた。

そして教師の側も、生徒と関わることによって、幾つになっても成長していけるのだと教えられ、嬉しくなった。

空回り気味の熱血教師にも、公私をはっきりと分けるクールな校長にも、人目はばからない老教師にも、それぞれどこか共感してしまった。

派手さはないけれど、味わい深い作品。
小波norisuke

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