人間は幾つになっても皆不完全で、誰かが自分のことを気にかけてくれたり、心配してくれているとわかっていると安心したりする。まして子どもであれば、頼れる大人に見守ってもらいたいのは当然だろう。高校生ともなると、大人との関係に距離ができるけれど、それでもこんなに切実に、愛されることを欲しているのだと、胸を衝かれた。
そして教師の側も、生徒と関わることによって、幾つになっても成長していけるのだと教えられ、嬉しくなった。
空回り気味の熱血教師にも、公私をはっきりと分けるクールな校長にも、人目はばからない老教師にも、それぞれどこか共感してしまった。
派手さはないけれど、味わい深い作品。