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わたしはロランスのエスのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.4
タイトル回収が本当に見事。
最後のあの自信に満ち溢れ輝く姿。
トランスジェンダーとして生きると決めたロランスとパートナーのフレッドの腐れ縁を色濃く力強く描いた秀作。

肉体的な愛じゃなく精神的な愛をド直球に魅せられました。何度も交わされるあの心の底からの会話。何よりも本物だと感じる。だからこそどちらとも間違いじゃなく、引き下がることなく、深く傷を刻み合い、それを手放すことなく大事に抱えて生きてる。それが二人を惹き付けるなにかだったり。それが2人にとっての愛だったり。

あのダイナーでのスザンヌクレマンの迫真の演技、一生忘れたくないと思った。

というかドラン監督の怒鳴り合う登場人物たち、毎度の事ながら自分は声を上げて何かを訴えることはほぼしてこなかったのでより凄いなと圧倒されてしまう。

ローズ家のゴージャスぶりだったりの造形物や登場人物たちの個性を際立たたせるファッション、あの舞い落ちる服や落ち葉の意図、撮影についてだったり調べたいことが沢山です。漁ります。これからも作り続けて欲しいのになと切なくなったり。

"反乱か?

-いえ陛下、革命です"
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