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パレードへようこそのエスのレビュー・感想・評価

パレードへようこそ(2014年製作の映画)
5.0
学び、分かり合い、手を取り助け合うことが人間の在るべき姿だと思う。憎み合うのではなく。そして、恥じることなく本当の自分を貫きながら、有害とされる場所や人から離れ、仲間をみつけ、やがて居場所が出来る。そして共に生きるために闘う。これより美しい業はないと思う。自分もそういう人生を送りたいと思う。”人生は短いから無駄にするな”と力強く訴えたマークの言葉は忘れたくない。

英国サッチャー政権下、実在する団体、”LGSM(Lesbians and Gays Support the Miners)”が同じ政府という巨大な敵を持つ仲間として、スト中の炭鉱労働者たちを助けるべく募金を通し、ホモフォビアに屈することなく支援しようと試みる実話を元にしたお話。

待ってましたと言わんばかりのこのエンディングが、この歴史をとてつもなく輝かせており、心底誇らしいと思ったし、自分にはまだまだ知るべき先人たちが遺した栄光と勝ち取った自由までの険しき道のり、彼等を阻んだものたち、様々なことを知らなきゃいけない、それまでこの自由を享受すべきじゃないと感じた。そして、出てくる言葉達も本当にパワフルで。権利を奪われぬべく声を上げる。デモの本来の目的が最近軽視されているのが益々悲しく感じたし、同じ人類として恥ずかしいと思う。

キャストたちも大好きになったし、アンドリュースコットは本当に裏切らないな…と思う。色々みたいし異人たちも超楽しみ。劇伴も良かったけど、配信に無かったのが残念ではある。あのテーマソングは生活に組み込みたい。あと”Bread & Roses”、あの美しさは言葉に表せない。

なかなか集中出来ずに途切れ途切れにみたことをとても悔やんでるし、これから何度もみて希望を貰いたい作品。円盤も買いました。いつかパレードにも参加したいなという夢もできた。

”自分より遥かに巨大で強い敵と闘ってるとき、どこかで見知らぬ友が応援してると知るのは最高の気分だよ”
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