もっちゃん

ウォッチメンのもっちゃんのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2009年製作の映画)
4.4
アメコミ原作、ダークなヒーローもの。個人的には『ダークナイト』の次くらいに好き。

舞台はアメリカとソ連の冷戦時代。両国は非常に緊迫した関係にあり、核戦争が勃発する手前にあった。そんな中1人のヒーローが謎の死を遂げる。その不可解な事件からかつてのヒーロー達は再び相見え、物語が動き出す。

勧善懲悪なコテコテのヒーローものとは一線を画するストーリー。『ダークナイト』のように、登場人物や観客の倫理観を揺さぶるものがある。ヒーローの割に容赦のないロールシャッハや人知を超えた存在なのに自分から手を下そうとしないDr.マンハッタン。さらには完全無欠、世界平和を誰よりも熱望するオジマンディアス。どれもキャラが立っていてそれぞれの信念があって面白い。

ストーリーの根底にある「平和に犠牲は不可欠なのか?」というテーマ。嘘で作り上げたものを平和と呼べるのか、それで本当に平和が保たれるのか。皆が幸せなら平和なのか。そんなことが可能なのか。鑑賞後しばらくそういったこが脳裏を駆け巡っておりました。

原作既読者からすれば今作品はあまり評価が高くなかったようだが、未読者の導入にはもってこいだということで是非とも原作コミックを見たいと思います!