逸品です!
まるで道の駅て、地元のおばさんがやっているフリマをたまたま眺めてたら、質の良い陶器を見つけたみたいな感じ。
なかなか見つけられないよ、
だって、日本語タイトルが酷いもん!
僕もこのタイトルから「おとなのけんか」みたいな、会話劇炸裂のブラックコメディ的なものを連想したけど、全然違った!
「夫婦けんか」ではない!
老夫婦の「セックスレス問題」
こんなプライベートな題材に、
よくあの名女優と名男優が挑んだもんだ!
上手く撮っているけど、かなり際どいシーンも出てくるし、セックス用語は、ズバズバ出てくるし、、、
でも、みんな何となく、知らんぷりしていたこんなプライベートなテーマに挑むあたり、アメリカ映画の懐の深さを感じました。
この映画は万人にはわからないでしょう。
フリマの例えで言えば、コーヒー党には、要らない陶器なのかもしれないから。
若き人には、興味も湧かない、
あるいは、嫌悪感さえ覚える人といるかもしれません。
「いい歳して何考えてるんだー」て。
でも、僕らの歳まで来ると、一つの大事なテーマなのです。
長年連れ添っているからこそ、
もう空気みたいな二人だからこそ、
大事なもう一つの問題なのです。
「老夫婦の愛と性生活」
冒頭、トミー・リー・ジョーンズの旦那は、メリル・ストリープの奥さんの求めに対して、何とも困った、嫌な表情を浮かべます。
子供たちが集まった夕食て、
「何か楽しいことあった?」と聞かれ、
「テレビのチャンネルが増えたわ。」と
答える奥さん。
でも、その夜、一人で酔っ払ってソファに寝ている旦那の前には、観もしないゴルフレッスン番組が空虚に流れています。
それを、本当に寂しそうに、虚しそうに眺める奥さん。
奥さんは、そんな日常を劇的に変えようとある行動を起こします。
この映画、アメリカだからできる内容
つまり、何でも言葉にして表さないと分かんないよ、例え長年連れ添った夫婦であったとしても、て訴えています。
僕ら日本人は、言葉に出すことが、特に感情を言葉に置き換えることがとても苦手な民族です。
でも、大切なことほと、喋んないと、
表出し合わないといけないのかもしれません。
一つの言葉を、とことん突き詰めていく風土が決定的に欠けている我々は、
たかがセックスレスの夫婦がまた円満な性生活を送れるようになるという、
ある意味たわいない題材からも学ぶべきことはあるなって、
この作品は教えてくれました。
二人の演技は、言うまでもありませんが、
当然のことながら見事!でした。