濱口監督作品は、昨年観た「ハッピーアワー」以来。
こちらの作品の方が古いのですね。
「ハッピーアワー」は長いけど全く飽きさせない
作品でしたが、本作も同様でした。
いや、こちらの方が古いわけですから、そりゃぁ
そーか!って感じですよね(笑)
人間の心情の移ろいを本当に本当に丁寧に
描く監督だなぁと感心です。それも冗長化することなく。
この作品の登場人物が実在してて、その人から
思い出話でも聞いて作ったんですか?と言いたくなる
脚本。まぁ微妙な感じをよく拾えるよなぁと。
本作のすごいところは第二部は演劇丸々ってとこ。
一部はその制作過程なわけですが、劇中劇という
範疇ではないというところが恐ろしいです。
制作過程で見え隠れする人間関係、演じる人物に
よって見え隠れする感情、演じる人間の気持ちの上で
描く感情、そして劇中劇の内容・・・このリンクっぷりが
すごいです。
一体、何で人間を描こうとしているんだ?おい?と
突っ込みたくなるほどに見事です。
ただごとではない構成力ではないでしょうか?
劇中劇がリアル世界の人間関係のメタになっている
ような錯覚にも陥りますしね。
あーだこーだと描きたいのですが、観賞後1ヶ月
経過しても頭の中が整理できないという・・・(笑)
また見直したくなる作品でした。
観て損はないです。 秀作です。