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親密さのnmnのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
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4時間15分という時間の中で、無駄な間やセリフがひとつとしてなかったことに驚いた。長さには意味があるのだと知った。

それぞれがそれぞれの考えや想いの丈をぶつけ合っていた後半の演劇は、その人がその人であることを望む亮平の内面を、そのストイックさごとそのまま具現化したみたいだった。ときには言葉でがんじがらめになって矛盾する身体が立ち尽くしていた。

それでも言葉を尽くすことを諦めないこと、そしてどんなかたちで、どんな結末をむかえた言葉も無駄ではないことを教えてくれてありがとう、と思っていたら最後にパッと手を離して軽やかに飛んで行ってしまった。別れがはじまりになった瞬間を何度も見た。小さくて弱いもの、孤独で自由な魂たち。

作品の中で『暴力と選択』という詩が出てきて、それがまた暴力的に読まれるのだけど、最近自分が考えたいと思っていたことが、暴力ではなかったかもしれないということに気付けたのがよかった。
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