圧倒された。
前半パートは演劇当日まで、後半は本番。
会話劇。もちろん単純な会話もあるけれど、登場人物それぞれの価値観や思想が詰まった会話が繰り広げられる4時間だったような印象をもった。でも、ひとつの作品を作ろうとする2人の恋愛関係の揺れ動きや、演劇にそのものにも惹き込まれる。
言葉について。
恋人同士でも、数人が集まる集団でも、社会全体であっても、人間社会や人間関係は言葉を基盤に成り立っていることを痛感したし、言葉の役割をとことん突き詰めて考え抜かれていて、それらの思考を浴び続けたような気がする。
夜明けの橋を2人歩きながら、ひたすら会話が続く時間は、終わってほしくない、とても美しいシーンだったし、演劇のクライマックスや、映画のラストも素敵だった。
電車と言葉、夜の暗さと光。
「ドライブ・マイ・カー」の原点を感じられた。