jonajona

ばしゃ馬さんとビッグマウスのjonajonaのレビュー・感想・評価

4.7
青春と夢の日本映画

青春の解体新書

脚本家を目指して養成学校に通う2人の
男女の青春映画。
男女、なのでラブストーリーかと
思いきや、主人公の麻生久美子は何としても結果を出したいと映画監督に媚びたり
逆になんの得もない養成学校の勘違い男
安田章大はかなり見下してかかる。
なかなか嫌な女性なのだ。
必死なのはわかるけど…対して勘違い男の
安田くんも他の受講生を小馬鹿にし何も
なしてないのに才能があると過信してる。

そう、正直見てられない二人の物語なのだ

彼らは(少なくとも麻生さんは)必死に
売れるため頑張るけどその努力にも
一般社会から長く隔絶された認識のズレが
見え隠れする。そうした『青春』という言葉に隠された、大多数の希望の残酷さをもののの見事に映し出している作品だ。
でも残酷なようでいて、そこにはたしかに『売れなかった人々』への温かな眼差しがあるそれだけに、彼らのそれぞれの決断は、本人たちにとっては人生の全てをかけた最終稿となり僕は胸を打たれた。
なにかに打ち込んだ人、今から
始める若い人も、ぜひ。
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