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女っ気なしのmajiziのレビュー・感想・評価

女っ気なし(2011年製作の映画)
4.0
あれ?
もう少し見ていたかったと、ほどよい物足りなさがなんだか上手い。
あっという間に終わってしまった。
バカンスはそういうものか…

フランスのバカンス作品。
主人公はハゲてる冴えない中年男。

普段はまさに女っ気なしの生活をおくる
シルヴァンは、海沿いの町オルトで小さなホテルの管理をしている。
そこに美人な母娘がお客としてやって来る。


女性が惹かれる男性っていうのは
顔→体→知性や才能→経済力と
変遷したり、混合されていきますね。

でも、いやそうじゃない
それはそれで間違いではない
それらが良いに越したことはないけど、けど…

人に寄り添える優しさや思いやりが無ければ、と全女性がわかっていることを改めて感じ入ります。
というかそれがもちろん最優先事項。

それはセクシーママンなパトリシアも若くして産んだ娘ジュリエットがすっかりが大きくなって、すいもあまいも経験してわかってるだろうし、でもバカンスだし楽しみたいし、本気に好きになった相手に去られる怖さも知ってるし、もう何だかとっても複雑。

そんな母親の姿を見て育ったジュリエットも、賢くてかわいくて何が人として一番大事だっていうのを知ってる。なんていい子。

シルヴァンは着ているTシャツの柄は全部やらかしてるし、家に『イージー☆ライダー』のポスターを貼っていたり、近所のおばさんが相談相手だったり、シンプソンズの小物を飾ってたり、いちごにホイップ&砂糖をかけて食べたり…とにかくモテないことがわかるし、ちょっと内気。

でもシルヴァンのことを愛おしく感じて、どうか幸せになってほしいよな〜と応援したくなるというマジック。
シルヴァンは可愛いよ!!

短時間で見事なロケーションと人物設定で一夏の思い出を魅せてくれました。

バカンスは奇跡も起こるけどほろ苦さもつきもの。はい、夏も終わりです。


MUBIの中でも数少ない日本語字幕がある作品です。
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