困ったちゃん

女っ気なしの困ったちゃんのレビュー・感想・評価

女っ気なし(2011年製作の映画)
4.6
冴えない男だと地元の人間に笑われるシルヴァン。彼が管理する部屋をバカンスのあいだ借りる母娘。3人はお酒を飲んだり海に行ったり仲良くするうち、冴えないモテない奥手でアルシンドヘアーのシルヴァンの心に変化が…

あんな風貌だけれど、気付けば心やさしいシルヴァン(ヴァンサン・マケーニュ)に夢中になっている自分。彼以外の俳優では醸し出せない優しさと愛しさと切なさのハーモニーは衝撃的レベルで、意外な展開で女っ気”有り“に至ってしまう終盤の一連の流れが悶絶級だった。静かに終わるバカンスで十分に浸れる余韻…素晴らしい!

観る者をこんなにも隔靴掻痒な気持ちにさせる作品は他にあまり記憶がない。配役も申し分なし。そういえば「アヴァ」でも自由奔放なママを演じたロール・カラミーは今回も完熟だった。

※監督ご本人のトークショーを後ろ髪引かれる思いで辞退。ため息止まらず(泣)
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