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パトリオット・デイのとぽとぽのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.0
サスペンス、アクションそしてドラマーーーーBOSTON STRONG
映画ファンからすれば悶絶するくらい渋くて最高なキャストだけど、きっと端から見れば地味で、実社会の英雄達もまた同じ。様々な道のり(映画ファンが"伏線"って言いたがるやつ)が一つの道に合わさっていく様が見事で、それぞれの背景を知った上で見るので、それぞれの人物に感情移入できる。そしてそれが最後に爆発する。架空の人物を主人公に据えて展開されるファーストシーンはどこかアメリカ的で、この映画の題材として合っているとはあまり思えず、開始早々不安になったけど、杞憂でした。時に『ヒート』かと思うほど(特に住宅街での銃撃戦)、しっかりとスリリングかつエモーショナルな展開(ショット、台詞)によって観客をその渦中に置いて、最後には本来伝えたかったこと、本作を作った意味を語りかけてくる。
O・ラッセルとのコンビを本作同様製作も兼ねた熱量の『ファイター』で終えたウォールバーグがバーグと急接近して作り上げた本・実録三部作は双方のキャリアを素晴らしいものにした、賞レースや評価の高さがそれを表すように。これらで名匠の地位を得つつあるであろうピーター・バーグもノリに乗っている。メッセージ、メタファーの見せ方が本当に多岐にわたっていて巧いし、感情を揺さぶられる。何度も出てくる爆発とカメラ映像に見入る。そしてサウンドトラックがトレント・レズナーだったのか、という。
日テレはじめ日本のバラエティーで見るような話だけど、再現度が、リアリティーが、そして敬意が違う。これを『踊る~』のスタッフとかが作ったらもっと退屈だったし、本来のメッセージを伝えきれなかっただろうな。本格は現実の社会におけるヒーロー達への賛辞、そして愛と希望に満ちている。こんな時代だからこそ正義が勝つという希望がほしい。アメリカも怖い国だけど

結果的に日本公開がタイムリーになってしまった本作を見て、テロの身近さに背筋が凍るほどの恐怖を感じる一方で、それでも負けるな!マンチェスター頑張れ!って強く思う。こういう出来事を他人事で終わらせたら駄目だ。皆で団結して、信じる気持ちさえあれば愛は不死身。愛は憎悪に勝つ。
Let's Go Boston!

TOMATOMETER80%、AUDIENCE87%
Patriots Dayoffers a stirring, solidly crafted tribute to the heroes of a real-life American tragedy without straying into exploitative action thriller territory.
勝手にサントラ♪My Hero
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