潜入捜査という背景から想像されるストーリーとは少し違ってて、サスペンスという点では少々物足りない感じだったけど、物語としてはグイグイ引き込まれて行きます。
警察=正義、犯罪組織=悪ということではなく、犯罪でなくても人間としてやってはいけないことがあり、その境目、臨界点を超えてしまったがゆえに起こった悲劇なんだと思いました。
最後はお互いがどれだけ好意を持っているかで相手への態度が大きく変わってしまうという当たり前だけど大事なことが異常な世界の中で浮かび上がってきます。
その結果がまさに『新しき世界』へ繋がっていったのだと、しんみりとする素晴らしいラストシーンでした。
アクションシーンも韓国映画ならではのエグい演出もありますが、迫力満点です。
キャストも皆さん素晴らしい存在感で、特に捜査官仲間のソン・ジヒョがクールで良かったので、もっと活躍してもらっても良かったのにとちょっと残念。
音楽も重厚で素晴らしく、終盤のクロスカッティングはゴッドファーザーを彷彿とさせて良かったです。