真田ピロシキ

DOA/デッド・オア・アライブの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.0
格闘ゲーマーの端くれとして福岡でやってたEVO JAPANを見に行きました。そしたら格ゲー映画見るしかないと思ってフィルマに記録してないのではモーコン2とケイン・コスギが出てる方の鉄拳と本作しか残ってなくてちょうど新作が出るこれにした。前にも見た事があってノリは十二分に理解していたんだけど楽しく見られたのは50分くらいで残りは消化試合。

実写化としてあれこれ文句をつけるつもりはありません。原作ゲームは2を少しやった事あるので原作への冒涜なんて言葉など出てこない。どう取り繕っても偏差値の低い格闘ゲームに置いても女キャラの過剰なエロで生き残った本作はモータルコンバットと双璧を成す低俗の二大巨頭。全くシリアスを装わずアホを貫く本作はDOAとして完璧。生身の女優に演じさせているので、ビーチボールみたいなおっぱいがぶよんぶよん揺れてパンモロするゲームの下品さがかなり緩和されている。アニメ的ロリ顔の女キャラは辛うじてやろうとしているデヴォン青木のかすみ以外はフォローする気がない潔さ。妹(映画では血縁ない?)のあやねなんかアジア系ですらない。それでもKOFと違って特徴は再現しているので誰なのかは分かる。本作のターゲットはB級映画ファンだろうが、それなりに原作ファンへも気を使っていると感じられる。製作にポールWSアンダーソンが名前を連ねていてどの程度関与しているのかは知らないが少なくともバイオハザードよりはゲームの実写化としてマシです。

『グリーンデスティニー』をやりたいのだと思われる低重力アクション(あんな優雅じゃない)は微笑ましく、音楽をジャンキーXLが手がけていてノリは抜群。かすみを差し置いて主役扱いされてるティナは風貌や立ち振舞いなどが格闘アクションに真剣味を加えられていて、オマケの男衆でもケイン・コスギが良い仕事してる。リュウハヤブサの設定がどうとか野暮な事は言わないお約束。だが内容がないようをシラフで90分孤独に見続けるのは厳しい。CGを見るに予算がなくてその点をクリアしていれば漠然と見てるだけでも面白そうだったのだがDOAにそんな大金を投じる人がそうそういるかと言うと難易度が高すぎる。steamには大富豪のゲーマーがいるそうなのでワンチャンあるかもね。

原作に比べると過剰なセクシー要素は控えめで好感を持てたのだが、1人だけ紫のアニメヘアーで浮きながらも頑張っていたナターシャ・マルテをググると本作の数年後にワインスタインから性暴行を受けたという記事を見て複雑な気持ちになった。バカ映画のノリでも現実にそういう事がある以上、もう無邪気に受け止められる時代でもない。