ヤマダタケシ

RETURN(ハードバージョン)のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

RETURN(ハードバージョン)(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023年7月 DVDで
原田眞人作品の中で一番うまく言ってない作品だと思うけど、でも原田眞人ファンだから
こそ嫌いになれない一本な気がする。なんかたまにあるんだけど、ダメさも含めて愛おし
い映画って感じ。
・前提として傑作『KAMIKAZE TAXI』の精神的続編であり、原発事故後の日本でもう一度KAMIKAZE TAXIをやるってのが今作だったと思う。その時点で志自体は高い作品なんだと思う。
└このひっくり返った日本の中で、国外に移住しようとするヤクザ、企業の兵隊として洗脳された若者たち等、原田監督が描こうとしたものが沢山ある。でもどれもが上手くいっていない。
└そもそもKAMIKAZE~の三人は役所孝司を中心に、個人的に若い時代のキャリアハイだった高橋和也、片岡礼子(どちらも中年になってからまた新たなキャリアハイになっていると思う)が揃っているのに対し、今作の椎名桔平を中心にした三人は明らかに役不足である。
・しかしながら、やりたい放題やっているヤクザ三姉妹、特にキムラ緑子、土屋アンナはただ見ているだけで最高である。
・またラストのBBQシーンも、KAMIKAZE TAXIが復讐を遂げた末に三人がバラバラになってしまうラストだったのに対し、敵味方関係無くみんなで同じ肉を食うという終わり方は、キャラクターたちにとってのハッピーエンドだったと思うし、原田監督なりの新しい人同士の関係性を示していたようにも思う。