けーはち

バチアタリ暴力人間のけーはちのレビュー・感想・評価

バチアタリ暴力人間(2010年製作の映画)
3.2
実録・心霊ホラーっぽい奇妙なファンタジー作品を撮るフェイク・ドキュメンタリーの旗手で昨年『貞子vs伽椰子』でJホラー界のメジャー(?)に躍り出た白石晃士監督自身がヤラセ心霊番組のディレクターとして出演する(セルフパロディの面もある)暴力コメディ映画。心霊ホラーの撮影に紛れ込んだ二人の暴力人間は、突然キレて霊能者を殴り倒す‼──新興宗教の霊能者は胡散臭くて威圧的で他人を踏みつける邪悪な連中として描かれ、それをやっつける暴力人間は「バケモノにぶつけられるバケモノ」という立ち位置で、ある意味爽快だが、暴力、パワハラ、レイプと所業は最低最悪で、それを撮る監督も『ありふれた事件』的にモラルが段々消失。誰も彼もヒドいと言う破滅的なコメディに。実録ホラーの体裁を保つせいでテンポが悪いところもあるし、最後のオチも弱いという点も。でも発想は良い。