TAK44マグナム

タイガーマスクのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

タイガーマスク(2013年製作の映画)
2.0
数年前に、身寄りのない子供たちへランドセルが寄付された事件ありましたよね。
謎のあしながおじさんは伊達直人と名乗っていました。
伊達直人、つまりタイガーマスクです。
そんな事件が話題になっている・・・「こりゃ、いけるでえ!」と思ったのかどうかはわかりませんが、「タイガーマスク」の原作者である梶原一騎先生の実弟である真樹日佐夫先生が企画して、ついにタイガーマスクが実写映画化されてしまったのが本作であります。
誰か先生を止めればよかったと思うのですが、真樹先生の熱い想いを止められる存在などこの世にはいやしないので、つつがなく製作が進行してしまったと思われます。
しかも先生は出演までして役者もこなすという活躍ぶり。何かありそうな黒幕を迫力ある演技で演じておられましたが、本作の製作途中に惜しくも亡くなわれてしまいました。残念です。

主役の伊達直人役は誰もが疑問に思うであろうウエンツ瑛士。
何故にウエンツ?でも、過去に鬼太郎やコブラ男も演じてますから、こういった映画には慣れているという見方も出来ますし。
共演は、ミスターX役に哀川翔、ヒロイン役に夏菜、他に遠藤久美子、宮地真緒、平野綾、そして釈由美子など。
虎の穴のスタッフのほとんどがボンテージ姿の美女ばかりというのはミスターXの趣味に違いありませんな。

お話としては、大体は原作の設定に準拠。でも、戦う舞台は賭けの対象となる地下プロレスに変更されています。
虎の穴で修行した伊達直人がタイガーマスクとなり、やがて虎の穴を裏切る事になります。

色々な評価をざっと見ると、そのほとんどが酷評ばかりの本作、どんなに酷いのかと思って観始めたのですが、オープニングはそれなりに格好良かったです。
スーパーコングという怪人レスラー相手に戦うゴールドタイガーマスク。パワータイプの相手に対して、あの佐山サトルばりの俊敏な空中殺法を披露したりして、「あれ?これ結構いけるんちゃう?」などと期待したら、そこから先はとんでも描写のオンパレードでしたよ(汗)。
素晴らしき駄作の宇宙が広がっていました!

目が怪しく光って、幼少の直人に「強くなりたいか?」と問いかける動物園の虎!
そこでいきなり走り出す直人!なぜか待ち構えていたミスターXにスカウトされて失踪する直人!
宮地真緒に案内された虎の穴が、本当に森の中の岩壁に空いた穴!しかも虎の穴といえば翼の生えた虎の巨像だけれど、予算がないので壁に絵が飾ってあるだけ!
虎の穴の修行は、どこか香港映画テイスト!
幼少時代の直人の必殺技はカンチョー!
無事に修行を終えた直人と他二名がマスクをもらって地下デビュー!超科学によってマスクを装着しただけでコスチュームを装着してタイガーマスクに変身できる!
多額のファイトマネーに目がくらんで、クラブで遊びまくる直人!そして喧嘩して出禁になる直人!
ちびっこハウスが、もろにCGな火事で燃えまくり!
というか、10年前にお金なくて閉鎖確定していたっぽいちびっこハウスが、どうして存続できているのか説明がない!
殴り込みをかけた直人になぜか優しいボンテージの釈ちゃん!
裏切者の直人を殺そうと現れるグレートタイガー!その姿は完全にショッカーの怪人!はっきりいって超格好悪いし、スーツの出来も悪い!
なんとなくグダグダで、さつぱり盛り上がらないラストバトル!
エンドクレジットが唐突にハリウッドのアクション映画っぽくて、失笑!格好いい系CGに格好いい系BGM!いやいや、そんな格好いい映画じゃなかったから!
そして、全般的に、ジョン・ウーをパクったスローモーションで尺を稼ぐのは格好悪いから止めよう!スローしすぎ!マジで!

修行場面もいいけど、もっとタイガーになってからのバトルを増やして欲しかったですね。
あと、どうしてリングの床が砂まみれなんだろうか・・・?

欲を言えば続編つくりたいなあ感がありありですが、たぶん永遠に作られることはないかと思います。あっという間に公開終わっちゃったし。
特製のフィギアを購入した人って、どのくらいいらっしゃるんでしょうねえ?結構いいお値段していたと思いますけど。

結論から申しますと、「真・仮面ライダー」とか「仮面ライダー ザ・ファースト」を100倍薄めたようなショッパさが哀しい映画でした。合掌~!

あ、平野綾に毒吐かれたいMな人には、ピッタリな映画です。


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