暴力と破滅の運び手

エヴァの告白の暴力と破滅の運び手のネタバレレビュー・内容・結末

エヴァの告白(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

レナー が出てくるたびに自分がリツイートしたGIF画像がチラついて集中が途切れてしまった……(自業自得)

1921年、エヴァは妹とともに親戚を頼ってポーランドからアメリカに亡命しようとするも、妹は肺病のため隔離、エヴァも親戚の住所が存在しないとして強制送還されそうになるが、そこにブルーム(ホアキン・フェニックス)が現れ彼のコネで入国できることとなりエヴァはブルーノの“女”の1人として働くことになる。エヴァはなぜかとっさに目打ち(?)を抱えて眠るのだが、“女”たちとの入浴(バナナを皮ごとかじろうとするマリオン・コティヤール!)、テーブルの金をくすねようとしてバレたり、ブルーノの誘いを断って逆ギレされたりしているうちに、どうもブルーノはただ劇場で“女”たちを踊らせているだけではないことがわかるのだが、エヴァは金のために売春することをを受け入れる。親戚の家を訪ねてみるとそこはきちんと存在するのだが、叔母の夫はエヴァが船内で“起こした”とされる問題に立腹して彼女を送還させようとする。エヴァは収容施設に戻り、そこで妹を探そうと慰問のショーに行くのだが、そこでジェレミー・レナー扮するマジシャンのオーランドが現れて浮遊の記述(十字架のように見える)、オーランドも何やらエヴァに一目惚れした様子で白い薔薇を渡す。再びブルーノに引き取られるとエヴァは売春で金を稼ぐようになり、劇場にはなぜかオーランドがいて、彼がショーでエヴァを舞台に上げると客から下品なヤジが飛び、激怒したブルーノはオーランドと追いかけっこを始め店内は大混乱に陥り“女”たちを連れて劇場をやめることになる。ブルーノがはじめた新しい商売はトンネル下で客引きをするというもので、オーランドが現れてエヴァに謝罪をしているとブルーノが現れて、エヴァは硝子越しにナイフを取り出して取っ組み合いになる2人に気付き、警官を呼ぶと2人はひっ捕らえられてしまう。エヴァは娼婦に金をせびられてナイフを向け、落としていったストールをオーランドへ返しに劇場へ行くと彼は全米ツアーに行くことになっており、エヴァは妹の存在を理由にオーランドの誘いを断る。拘置から帰ってきたブルーノ‪は銃を手に入れており、オーランドが過去に自分の女を取ったことを話す。エヴァは日曜教会へ行き、自分が移民船で遭った性暴行と自分に転嫁された罪と、アメリカに来てから行った売春の罪について告解し、ブルーノはそれを盗み聞きしてしまう。そうこうしているうちにオーランドが再び現れて、彼はギャンブルで勝ったので妹を引き取って西部へ行こうと誘い、銃の隠し場所を教えるとそこから銃弾を抜いて持ち去ってしまう。ブルーノが仕事を終えて帰ってくると、オーランドが空の銃を手にエヴァを解放するようブルーノに詰め寄り、ブルーノはナイフでオーランドを殺し、オーランドはゴミのように捨てられてしまう。あくる日にトンネルで客引きをしていると警官がやってきて、彼らは恐らくは娼婦仲間の偽証によってエヴァが殺人をしていると思っており、ブルーノはエヴァを庇って地下道で警官にボコボコにされ、彼女の妹を引き取るためにとっておいた大金も警官に剥がされてしまう。エヴァは叔母の元へもう一度赴いて、生きる為に仕方なく犯した罪に関して叔母に問いを投げかけ、金を借りる。エヴァとブルーノは再び舟で収容施設へと渡り、ブルーノはエヴァに列車の切符を渡し、最初から自分の“女”にするつもりだったが惚れてしまったのだという〈告白〉をする。エヴァは自白して罪を受けるというブルーノと別れ、妹とフェリーで島へと渡り、同時にブルーノは部屋から出る。

何度も何度も繰り返されていた扉の開閉と鏡/硝子というふたつのイメージが最後のカットで回収されて感動してしまった。何かに切り取られた空間、たとえば闇に浮かび上がる劇場の舞台、闇に消えていく叔父と叔母、死体を運ぶホアキン・フェニックスの後ろから妙な足取りで下りてくるマリオン・コティヤール、トンネル、そういうものも記憶に残る。
作中で触れられている通りに1921年は映画の黎明期で、上にあげたもののほかにも、シーツに拡大されて投影される妹の影なんかも、何がしかの繋がりがあるのかなと思った。(でもよくわからなかった)

レナーはあんまり。舞台メイクもオールドスタイルなスーツも似合わない御仁だからしかたない……銃持ってるところが1番楽しそうだった。