ガブXスカイウォーカー

劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

4.0
2021年一本目は『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』!

なんと『完結編』を謳いながら、主人公、坂田銀時が5年後の世界にタイムスリップする、と言う変化球(アメコミのスーパーヒーロー物ではよくある)。しかも5年後の地球は殺人ウィルスにより荒廃し、未来の銀時は謎の失踪を遂げていたと言うハードな設定だ。

でも、オタクの新八は孤高の剣士、食いしん坊少女の神楽はセクシーソルジャー、警察の真選組はテロリスト、ダメ人間の長谷川泰三ことマダオはアル中、メイドロボのたまはガンタンクなどなど、メインからサブまでレギュラー陣の変わり果てた姿は爆笑を誘う。もちろん、他のキャラも総登場するのでご安心を。

ただおかしいだけではない。未来の銀時の失踪により荒み、バラバラだったレギュラー陣が、過去から来た銀時の出現によりまた一つにまとまるドラマは感動的だ。さらに銀時失踪の原因と真実に驚かされ、クライマックスでは後の『アベンジャーズ エンドゲーム』(2019年)並みの大乱戦でスカッともさせてくれる。

個人的には『銀魂』はシリアスになるほど糞つまらないのだが、今作はギャグとシリアスがバランス良く融和し、最後まで退屈することなく鑑賞できた。まさに完結編にふさわしい一篇で、『銀魂』ファン必見の出来と言えよう。

しかし、『ドラえもん』、『ルパン三世』、『名探偵コナン』、『クレヨンしんちゃん』など多くの長寿アニメの劇場版の例に漏れず、今作もキャラは誰一人死ぬことなく、ラストでは全てがリセットされて、いつもの日常が戻ってくる。確かに今作は完結編の一つの形とも言えるが、今まで何度もあったビッグエピソードの一本にも位置付けられるのだ(終わる終わる詐偽!)。すでに原作は2019年に終了した今(2021年1月)、間もなく公開される劇場版第3弾『銀魂 THE FINAL』で今度こそアニメ版『銀魂』は完結するのであろうか?