賽の河原

死霊館の賽の河原のレビュー・感想・評価

死霊館(2013年製作の映画)
3.2
TSUTAYAで手に取った感想は「...ホラーの割には意外に長いんだな......。」って感じだったんですけどまあ退屈はせず2時間弱見られましたね。
良かったのはまず、「実話とは...」っていう話ですよね。DVDの特典映像も観ましたけど「えー!こわ〜い」って感じですよね。この世ならざるものっていうのは本当にあるんでしょうかね。
あとは演出も結構気を遣っていてカメラワークとかね、登場人物視点なんか使うのは結構おなじみですけど、POVとかアクロバティックなカメラワークもあってそういう感じも観てて面白かった。怖がらせ方も正統派なんだけどシーツのあれとかは僕はああいう怖がらせ方初めて観ましたね。あれは本当に個人的にはフレッシュでした。
ホラー映画っていうと「怖いのに面白い」みたいのも大切で「怖い」と「笑い」って意外と近いと思うんですよね。本作で言うと「心霊研究家たちが家の中に科学的なリサーチをするためのガジェットを装備して地下室に入るシーン」が最高でしたw 準備は万端で地下室に入って行くんだけど霊が出てこないから「おーい!出てこーい!」みたいなw あとはあの家族写真の映り方の浮かれポンチな感じとか、至って真面目なシーンなんだろうけど個人的には結構コミカルで好きですね。
基本的には楽しんだんでアレなんですが、ツッコミ所としては「やっぱりなげーよ...」っていうね。
30分経っても40分経ってもなかなか事が始まらないというか、決定的な事態が発生しない「なんだ猫か」状態が続くんですよ。特典映像で監督が「ホラー映画は恐怖シーンをたくさん入れる必要はない、緊張感を段階的に高めていくことが肝要」的なこと言ってましたけど、事が起きてからは恐怖シーンがインフレ状態になってしまうというか。家族のお話も正直あんましというところも...
あとは別に悪魔とかっていう超常現象は全然許せるんだけど、悪魔祓いとかがあんまりにもキリスト教世界観なのは、ある意味異教徒の私からすると微妙でしたね。
つまり要は、この監督も言ってますけど「ホラー映画ってのは映画見終わった後も怖いのがいいよね」って話ですよ。エンディングのスタッフロールも工夫していて「えっ、これガチの話やん...」感は充分あるんだけど、後々冷静に考えてみると「まああいつらに悪魔が見えんのはまあいいんだけど、それに対する除霊が十字架とかなんか聖書的な除霊法かあ」っていう感想が湧いてきて、「えっ、でも日本には悪魔おるんかな」とか思い始めるとこの映画のなかのあまりにキリスト教的な世界観のせいで「別に俺らの生きてる世界には悪魔はおらんな」というか。関係ないお話に感じちゃうってのはありますね〜。
実話縛りもあるんだろうけど、子供が多すぎ感もあったり、あの巡査さんの仕事は大丈夫かなああの街悪魔以外に治安を乱すものはないのかなあとか、そもそも心霊研究家、なけなしの有り金叩いて悪魔の館をご購入したあのご家族からいくら請求したのかなとかも気になってしまいましたがまあ気にしないことにしますw
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