たな

アナと雪の女王のたなのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


二人でひとつ、躁鬱状態


面白かったです。
アナのイカれ具合がいいですよね。一人ぼっちの一人遊びで、長い時間を乗り切ってきたのが言動によく表れていて面白いキャラクターです。

本来の力を抑圧されて、鬱状態のエルサと躁状態のアナ。私は一人の人物として観ました。
力のある女性が、社会からその力を抑え込まれた時の爆発ストーリーとして観ると面白いです。

レリゴーは良かったですね。
この話、戴冠式から2日間くらいの怒濤の展開なんですが、この歌のおかげで、

「抑圧されてきた田舎少女がぶちギレて単身上京→初めての都会で揉まれつつも、ひと間のボロ部屋にミカン箱のテーブルで必死に生活→才能が徐々に認められ→ついに夜景の見えるデザイナーズマンションをゲット→ここが私の城だ」

みたいな上京物語が脳内再生されました。歌の醍醐味ですね。時間を越えて普遍的なものを個人レベルで語ってくれるのが歌の力だと思います。
与えられた王冠を投げ捨てるとこもいいですよね。ディズニープリンセスへの挑戦かよと胸熱でした。

私の一番好きなシーンは、戴冠式で暴発したエルサが水面を凍らせ対岸へと渡るところです。
これまでマイナスだと思っていた力が、ここではじめて彼女を助けるんですね。
厄介な力と社会に抑え込まれていた才能を、初めて自分のために使う。それによって新しい世界への道が拓かれていくのが視覚的に表現されていて萌えました。

一人の人間のなかには「才能」と「それを信じる心」の二つがあって「才能」って言うのはダイヤモンドみたいで周りに何を言われても傷付いたり磨り減ったりしないと思うんです。それは能力だから。代わりに傷を負うのが「才能を信じる心」。
だからエルサの力によっていつも傷を負うのがアナなんですね。
でも信じる心がないと才能はどうしようもない。
ラストは二人が統合されてハッピーエンドです。

ハンスとアナの「とびら開けて」も、これが運命だうひょーサンドウィッチ!!\(°∀。)/モウナニモミエナイ!!みたいなクレイジーな初恋の雰囲気を、愛でつつもバカにした感じが良かったです。しかもこれを捨て歌にするという根性。尊敬します。

童話「雪の女王」からここまで持ってくるとは。面白かったです。レリゴ~。
たな

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