このレビューはネタバレを含みます
ソール・ライター経由で知ることになったドイツの出版社シュタイデル社。
DVDブックという体裁で鑑賞。良い映画、良い本。
映像の内容を本のほうで補完しながら楽しむのが良い。映画はほとんど解説なしのドキュメンタリーなので。
映画の中で、盛んに本のニオイについての発言が出てくるが、ドイツで200年の伝統を持つ家族経営のインク工場のものを使っているとか。
「最高のレストランが最高級の素材を手に入れるのと同じように、印刷でも、素材が基本です」
紙の手触りにも再三触れるが、要は今のデジタル化の流れには一石投じたいのであろう。
「全てをデジタル化しようとしている人たちのビジネスモデルは西部劇のようです。誰かを追い出したい人間がいると、ライフルを手にして、その人間を撃ち、1万頭の牛を自分のものにする。そんな感じがあります」
「私の本棚には、身体が喜ぶ本を置きたい。身体になじむ美しい本と本棚は、次世代のためにあるというのが、持論です。」
デジタルに馴染めないわけではないが、断然、紙派の自分としても、大いに応援したくなる。
「日本人の血にはインク(ドイツ語の「Tinte」)が流れているのだと思います。(中略)「Tinteが血に流れている」と表現すると、「美しい詩や文学を書ける」という意味になるんです。」
そう言って、生まれ変わったら日本人になって、同じ職業に就きたいと発言するところもうれしい。
上記「 」付のコメントは本のほうからの引用。