真田ピロシキ

るろうに剣心 伝説の最期編の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.5
4人がかりで1人を嬲り殺しにする正義の味方。所詮この世は弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬんだ。2人も全然知らない奴の乱入を受けても動じない志々雄の強靭にして狂人さよ。しかも1人は素手の馬鹿でさっさとファイアーソードで斬り殺せば良いものをローリングソバットでKOする紳士さを見せる。伊藤博文の卑劣さもあって志々雄が正義に思えてくるね!しかし最後でええかっこして正義は我にありと何となく示せる伊藤の政治力は流石の一言。ただの人斬りでしかない志々雄が敵うはずなかった。

登場キャラについては漫画を読んでくれ。気弱な坊さんから破戒のテロリストと化した安慈の哀しみは映画だけで見えるはずがない。漫画の台詞を言ってくれるだけでは笑顔の裏に隠れた宗次郎の素顔も見えないし、対する飛天御剣流の説教術も空々しいばかり。志々雄のアバターアイテムみたいな存在だった由美に突然純愛カップル面されても漫画を読んでない人には唐突すぎるだろう。ところでこの人、後付け漫画で志々雄一味では最も新顔にされてて何でそんな余計なことしたのかなあと。唯一救われているのは宇水。漫画ではベラベラ喋るごとに小者化していったが、映画では無言なので強者感を保ったまま逝けた。元々和月が想定してたターミネーター風キャラに迫れている。他の十本刀?姿すら確認できないよ。『X-MEN ファイナルディシジョン』のサイロック以下モブミュータント並の存在感。

演技も漫画臭い大仰さでこれはシリーズの元からだけれど話の出来に引っ張られて悪いように見えてしまう。やはり京都編の実写化は無理だったんじゃないかなあ。追憶編ならアニメ版を踏襲するだけでも行けそうだったのに。そんなことしてもやる方としてはつまらんだろうから困難な道を選んだチャレンジ精神は尊ばれるべき。とは思うのだけれども…