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るろうに剣心 京都大火編のdm10foreverのレビュー・感想・評価

るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)
4.0
【残像】

シリーズの中では一番好きなエピソード。
何故ならストーリーが面白いのは勿論、シリーズ屈指のキャラ祭が開催されているから(笑)

前作(第1作)は正直「剣心1強」状態で、なんやかんや言っても桃太郎侍が「成敗!」って叫ぶような、あるいは黄門ちゃまが「助さん格さん、やっておしまいなさい!あと八兵衛、思う存分うっかりなさい!」と叫ぶような『20時45分の安定感』みたいな感覚に近く、お話し(展開)の上での「需要と供給」がマッチしていたのでストレスの少ない作品だった。
つまり「ドロドロと暗躍する悪党」とか「複雑に絡み合う伏線」とかを可能な限り排除して「勧善懲悪時代劇×スタイリッシュアクション」に徹したことで、僕みたいな「原作を知らないライトな層」にも敷居を低くしてくれていたし、なんなら松平健や里見浩太郎のファンが見てもストーリー的には受容れられるかもしれない(チャンバラシーンは駄目だろうね。往年のチャンバラファンが求める「間」とは明らかに違うから)。

っていうとこからの第二作です。
既に「顔見せ興行」は終わっているので、映画から見始めた人でもすんなり世界に入れるという利点を生かし、今作は最初からブイブイ飛ばします。

今回のキーとなる志々雄真実の「おどろおどろしさ」って決してビジュアルだけではないよね。
元々は「人斬り抜刀斎」と同じく生きながらに「影の存在」として決して表に出ることが許されなかった男だったけど、一足先に抜刀斎が裏家業から足を洗っちゃったもんだから、「功」も「罪」も全部志々雄に圧し掛かる。
そして始まる復讐・・・。

この物語に限らず、明治維新の前後って混沌としていたまさに「カオス」な状況で、新政府側だって相当えぐい事をやっていたなんて話はこの映画に限らず耳にするけど、そういう「裏の顔」って、得てして「表の顔」より強いよね。
で、剣心ももともとはそちら側の人間っていう。
この辺に「DCコミック」のようなダークな背景があるあたりから面白くなるよね。

ただ・・・「十本刀」の面々の描き方って、もうちょっとあったんじゃないかな・・・。
この辺はさすがに原作を読んでいない僕でも感じる残念ポイント。
正直言って、殆どお話に絡んでないでしょ?
まぁ尺の関係もたぶんにあるのは理解するけど、それにしても安慈なんて殆どちょい役的な扱いだったけど十分魅力的な要素は感じたし、もっと掘り下げれたら別の意味でこの作品に深みが生まれたんだろうな・・・と。

ま、個人的には仮面ライダー電王(佐藤健)がいて、OOO(オーズ)のアンク(三浦涼介)がいて、キャシャーン(伊勢谷友介)がいて、おまけにカイジ(藤原竜也)と、大好きなヒーロー(?)達の夢の共演に萌え(笑)あと、湘爆の江口と。

そんな事もあって、ちょっと点数は盛っちゃったかな・・なんて思いつつも、キレのあるアクションと要所を押さえたキャスティングは、それなりに見応えもあって満足の一本でした。

・・・・あとはさ、3作目の「伝説の最期編」の終わり方だよね。
それが良くも悪くもこのシリーズの評価にも直結するんだもんね・・・・。

福ちゃん、必要だったのけ?


・・・続く。
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