dm10forever

わたしはダフネのdm10foreverのレビュー・感想・評価

わたしはダフネ(2019年製作の映画)
4.1
【知るという事】

先日鑑賞した「月」という作品について感じたこと・・・。
この作品の監督である石井裕也氏は、その制作にあたって「障碍者を映画に出すな!」という圧力を受けていたことを後に明かしました。
しかし、その圧力に屈せず制作されたこの作品は、公開直後からジワジワと評判が評判を呼び、昨年の報知映画賞では「作品賞」「助演男優賞(磯村勇人)」「助演女優賞(二階堂ふみ)」を受賞し、あの「ゴジラ-1.0」以上に評価されました。

・・でもこ実際のところ、映画が公開される前ってあまり大々的に宣伝がされていたイメージってあまりなかったんですよね。
僕も印象的なチラシのビジュアルに惹かれて鑑賞を決めた次第ですし。
きっと、そこが日本のエンタメ界の「理想と現実」の限界なんだろうか・・・

知能指数(いわゆるIQ)が70から85の「境界知能(グレーゾーン)」の人は、人口の約14%、1700万人に上ると言われています(一般的なIQの平均は100程度)。
ところが、受刑者に占める「境界知能」の人の割合は約36%にもなると推定され、人口比の2.6倍にもなるそうです。
勿論、多くの「境界知能」の人たちは社会規範を守って普通に生活しています。
でも「境界知能」の人々は『知的障碍』とも『発達障碍』とも診断されにくい状況の中で、社会的な認識が充分でないために周囲の理解を得にくく、結果的に社会的な孤立や経済的な困窮に陥りやすいという現実もあります。

私たちは、キレイごとを言いながらもどこかで「臭いものに蓋をする」ような生き方をしながら「確実にそこにあるもの」から目を逸らして生きているのではないだろうか。
だけど、例えその現実に気が付いたところで、その全てをWinWinな方法で解決する術を知らない僕は再び目を逸らしてしまうんじゃないだろうか・・・。

今回1700レビューを達成したので、恒例のキリ番遊びのつもりで「1700」というワードで色々と探してみたら、とてつもなく重いテーマにぶち当たりました。
でも、どんなにキレイごとを言ったってやっぱり避けて通ることは出来ないとも思いました。
ということで、今回は他のストックを後回しにして、本作のレビューをしたいと思います。
あとはネタバレも含みますので、フィルターかけてコメ欄に残します。
dm10forever

dm10forever