チェチェンからの移民の、フランスの不法滞在者の少女が経験したひと夏を瑞々しく描いている。同級生との淡い恋と、まるでレジスタンス気取りの子供たちのいきいきした描写。演技に見えない。
少女を守り、根本的な解決に向かうことを求める同級生の母にヴァレリア・ブルーニ。ざっくりしていても大切なことをわかっている。
テーマは違うけど、「禁じられた遊び」を思い出した。子供たちだけで完結した、大人が入れない秘密の世界。団結力で理不尽な大人を締め出す。そう考えると、子供の世界は理想社会で愛に溢れ、互いに信頼でき、純粋で完璧な世界だった。その世界観を子供目線で丁寧に描いている。
最初と最後の未来の時代設定は蛇足に思う。
イスラーム映画祭にて。
ジャケ写がほしい。