Yukenz

ぼくたちの家族のYukenzのレビュー・感想・評価

ぼくたちの家族(2013年製作の映画)
3.6
暗くて重たい作品だった… 唯一次男・俊平が場の空気に関係なく軽口を叩くようなキャラなので多少は和めたが、そんな彼も家族が切羽詰まった状況となる終盤は軽口も影を潜めてしまうので、こちらも見ていて息が詰まりしんどかった。

どんな両親のもとに生まれるのかとか、身近な人が思わぬ大病に見舞われるとか、自分ではどうにもコントロール出来ない。
辛い状況にあって更に追い討ちを掛けるように金銭的な問題が重なると、精神的に一層追い込まれてしまう。そんななかで自分が生まれ育った家族と、自分が新しく作っていく家族とのバランスの取り方も難しい。

そこで自暴自棄になってしまうのか、前を向いて対処していくのかは、事態を自分一人の事と捉えず家族としっかりコミュニケーションを持てるか、そして彼らを想う気持ちがどの程度あるかにかかってくるのだろうか。

本作ではバラバラになりかけた家族がそれぞれに思うところがあり、何とか再生していく。
その過程を擬似体験したように思えて、最後に一筋の光が見えたところではグッときてしまった。
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