スプリングス

ヘルベチカ ~世界を魅了する書体~のスプリングスのレビュー・感想・評価

3.9
〈/ある終着点(?)/〉

【Review】
完璧すぎる書体、Helveticaを多方向から語っていくドキュメンタリー映画です。授業で観ました。
ミュージックビデオを撮り終えたあたりで鑑賞したので本当に勉強になりました。これを観ずに編集してたらまた違った出来上がりだったと思います。

簡単な説明を...
Helveticaとはフォントの名称です。
しかし、ただのフォントとはわけが違います。
世の中には沢山のフォントが存在していますが、これ程までに世間に浸透し、街中を埋め尽くしているものは“Helvetica”くらいなものでしょう。
クリーンな印象を抱かせ、尚且つ親しみやすい。
無駄がない完璧な書体。
それがHelvetica。

今作はそんなHelveticaを信仰する人々・毛嫌いしている人々・どっちつかずの人々の様々なインタビューを通して、Helveticaを見つめ直すお話です。


観終えた感想&分かったこととしては...
どれだけ完璧で優れていても、結局“書体”はツールでしかないということ。書体は喋らない。喋らせるのはデザイナーであって、Helveticaに持たれているイメージも使い手によって操作されたものなのだということ。
今作に出てくる“アンチHelvetica”な人の意見...
「Helveticaを使うことは戦争を支援することと同義よ!」
のように、極端な主張になるのもある程度頷けます。
フラットであるが故に企業・政治に愛用され、フラットであるが故に悪いイメージが脳裏に焼きついたまま離れない。
それがHelveticaを拒絶する人間を生んでいるのだと思います。
...で。
ツールでしかないとは言っても、やはりHelveticaの使いやすさは群を抜いて素晴らしいです。
キマる。
カチリとハマる。
「それ単体で完璧だ!改善のしようが無い」とする肯定派の意見もわかる。わかりすぎる。
けど、使い方によってはまだまだ遊べるとも思えます。
ボカロPのMARETUさんがよく使う《文字で組み上げられた絵》のように、無意味を積み重ねて意味を見出すような、そんな文字の使い方がもっと多様にあってもいいと思うのです。
(文字の可能性を『完成形』って言葉ひとつで消してしまったら駄目だと思うのです)
(あと、MARETUさんの曲はどれもカッケェのでみんな聴いてくださいね)
(特にオススメの楽曲は『うみなおし』です)


正直言ってこれ観るまではフォントに関してあまり興味が無かったのですが、受け取る側の抱く印象がフォントによって左右されるのだと、観賞後は意識出来るようになりました。

、、いい時期に観賞できて良かったです!

ちなみにMVで使ったフォントは
《Bauhaus 93》と、
《AR 新藝体 E》です!!
(...て、いやおま...Helveticaちゃうんかーい
( ´゚Д゚)!!!)
(※ちなみに歌詞のほうは手書き)

いつか使うからなHelvetica...!!
待ってろよッ......!!
(いい感じに終わった風を装う)

【Digression】
エヴァ公式フォント「マティスEB」というものが今ちょっと気になってます、笑。








【Digression_2】
こちら、レビューでも触れましたMVでござい!
撮影でもぼっちだよ!!(嘆)
どうぞ!!!

THE REVOLUTION GUNS
『Ultra High Voltage』
https://youtu.be/SCBlcr1Tvck