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見世物小屋 旅の芸人・人間ポンプ一座のBigsのレビュー・感想・評価

4.3
第七藝術劇場
映像 × 民俗(ヴィジュアル・フォークロア)「第1期 北村皆雄作品特選」特集にて。

94〜95年に、人間ポンプ芸で知られる安田里美一座の見世物小屋を捉えたドキュメンタリー。
まず、見世物小屋自体がほぼなくなってしまった現在において、それが映像として残っていることが貴重で、非常に見応えがありました。
安田さんの人間ポンプ芸が凄すぎて、え!!?となった。カミソリ等を飲み込んで自在に出したり、ガソリン飲んで火を吹いたり。あと、針金を鼻から口に通すところはサラッとやってたけど驚いた。
一座の裏側や座員の素顔も非常に面白いし、興味深い。見世物小屋の怪しいイメージとは裏腹に、世間からの差別や偏見を受けてきた人々の居場所としての役割も浮かび上がってくる。その一方でこの興行の残酷さや怖さみたいなものも垣間見え、フェアな描き方だと感じた。

映画内では、興味本位で小屋の中を覗き込む観客の顔も映し出されている。
自分がドキュメンタリーを観る動機も往々にして同じようなものだから、これに留まらないようにしないとなあとも思った。
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