イクミナ

サタンタンゴのイクミナのネタバレレビュー・内容・結末

サタンタンゴ(1994年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

一回目のインターバルの前の、少女の自殺するシーンに戦慄し打ち震え嗚咽した。少女の顔つき表情延々と歩きを正面からトラックバックでとらえる
ショットがすごい。少女が横たわり眼を閉じ、廃墟の教会のような情景にかかるナレーション。
「そうよ、彼女は囁いた。天使たちにはわかっているわ。こころの中は平穏だった。周囲の木々や道や雨、それに夜のとばりも平穏を作り出していた。これでいいんだと思った。ついにすべては単純になった。その日のことをたどりながら、ものごとの相関を理解して微笑んだ。一連の出来事は偶然ではないと思えた。それらは甘美な意味を持ってつながっていた。一人じゃないとわかっていた。天国の父親も母親も兄も弟も先生も猫もここのアカシアの木もぬかるみも空も夜も全部、彼女に依存している。彼女もすべてに依存しているように不安になる理由はない。
 天使が、迎えに来るのが分かった。」
この一連の流れに、鳥肌が立ち、違う地平がかいま見えたような気がした。これは、すごい。
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