KSat

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌のKSatのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

1961年の真冬。猫が逃げ出したことから始まる、売れないフォーク歌手のイヤな一週間。

コーエン兄弟らしいシニカルな細かい笑いはいいんだけど、ただただ悲惨な感じで一本のスジがない感じは「シリアスマン」に近い。猫の使い方は「ティファニーで朝食を」のそれに近いが、こっちの方があからさま。

そして、何せ撮影がブリュノ・デルボネル。「アメリ」や「ハリー・ポッターと謎のプリンス」、ソクーロフの「ファウスト」の人だけあって、一々芸術的で凝ってる寒々した画は良いけど、イマイチ噺の内容に噛み合ってないような気がする。

ただ、後半の脚本の構造のどんでん返しみたいなのは面白いと思った。自殺したパートナーやアクロンに帰った元カノの呪縛から脱するまでの一週間と考えてから観ると、ちょっと面白いかも。
KSat

KSat