ファンタズマのいち麦のレビュー・感想・評価

(ジョアン・ペドロ・ロドリゲス・レトロスベクティヴ) 夜のゴミ回収清掃員であるゲイ青年の倒錯した性癖を美しいカットで描出する異色作。夜の街を野犬のように一人這い回り自らの性的欲求をこっそり隠れる様に解放する。
理解に苦しむ行動の連続だったが、その野性味に好奇心を煽られ最後まで目が離せなかった。集積場に次々と集まるゴミ回収車のヘッドライトの群れが回るシーンに恍惚。野獣どころか蠢虫にまで堕ちていく青年の姿が衝撃的。

(オーディトリウム渋谷)