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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常のamuのレビュー・感想・評価

3.6
東京出身にして、両親はIターンで山奥に移住し、私は仕事や生活があるため生まれた時から都内在住だ。時々両親に会いにその山奥の家へ行くのだが、作中の土地とは違えど、鹿にマムシに出るのは同じで、林業については未知数だった分、この新たな視点からの作品に、知りえなかった業種のこと、山の村事情(祭など)とても興味深く勉強にもなった。

作中の染谷くんほどでは無いにしろ、私も虫刺されには敏感で、到着すると虫除けスプレーをシューとやる。非日常の山奥の静けさに不慣れで戸惑うが、しばらく過ごしてみると木々山々の匂い、透明な空気、透明な水、それらで作られた野菜、自然からいただく幸せを感じる。毒のある生き物に注意を払いながらの生活は、人間の方が住まわせてもらっていることにも気づく。空は高く広く、働いて、食べて、眠る。都会の雑踏に埋もれながら、時間に追われ、いつも急いで、焦って。その合間に早口に食べて、明日の段取りを思いながら浅い眠りにつく日々の生活や、山も無い、人工的な緑と埋め立て地の上の海、建物と建物の隙間から見る小さな空。東京で生まれて育ったけれど、ずっと東京が苦手な私。山から戻ると、いつも人の多さにゾッとする。

…そんな、自分自身の背景を心に感じながら、山への憧れと、憧れだけでは語れない自然との共存の苦労と、染谷くんの頑張りに共感しながら、明日も、お仕事頑張ろう!と思えるお話でした。

ヒロイン長澤まさみと変にくっついたりしないところが今作においてはとても良かったと思う。
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