わたふぁ

アンダーテイカー 葬る男と4つの事件のわたふぁのレビュー・感想・評価

3.7
“葬儀屋”を意味する「アンダーテイカー」という邦題も不親切ですし、
パッケージとサブタイトルからして金田一少年の事件簿みたいなミステリーなのかと思ったら、クラッシュやマグノリアのようなわりと上質な「群像劇」だったのですが、どういうこと。
エディ人気の便乗商法にせよ、良品を発掘したならリリースの最後まで責任をもって仕事してほしい。作品が不憫です。売り方でミスリードするのは犯罪に等しいことぞ、と憤りすら感じます。

葬儀屋を営む青年、
植物状態の息子をもつストリッパー、
自殺願望に苛まれている男、
25年の刑期を終えて出所したばかりの初老の男。
4人の男女が交差する、“死”にまつわるヒューマンドラマ。

“お金”そして“実らぬ愛”も大きなテーマとしてあり、社会の底辺で暮らす人々の生きにくさが切実に描かれている。

息苦しいような、じめっとぬめっとした場末感に満ちた画面の中で、透き通るように美しいジェシカ・ビールと若き日のエディくんがきらきらと輝いて見えました。