わたふぁ

マティアス&マキシムのわたふぁのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
5.0
映画の中で、ゴミ箱のフタがヘンに開いている時は、誰かがゴミ屑を捨てた後きちんと閉めなかったからではなくて、フタをこの角度で開けておくことで表現したいものがあると考えたからそうなっている。ゴミ箱の大きさと袋のサイズが全然合っていないことも意図。偶然など無く、意図しかない。だからたまらなくこの世界が好きなのだった、そうだった、と思い出させてくれた。

でも、そんな作り物のなかに、ぐちゃぐちゃの、生臭い、本物の感情を織り込むのがグザヴィエ・ドランだと思う。なんで人生は、こんなにも辛いことばかりなのに、途中で諦めてしまってはいけないんだろう。なんでさようならって消えてしまうと悲しむ人が必ずいる仕組みになっているんだろう。ずるいよな。とか。

グザヴィエ・ドランの愛は、相変わらずすごかった。
ドクドク動いている心臓を取り出して、これが愛、と言われた感じ。