地下鉄、自分以外いない車両に乗り込んでくる男。自分の前に立って一言、「ここは私の席だ」
窓のないオフィス。ひたすらデータを入力する。もう7年も勤めているのに、上司には名前も覚えてもらえない。
夜の自室、望遠鏡を覗き込むと向かいのマンションに見える人影。手を振って飛び降りる自殺者。
ある日現れる、自分と同じ顔の男…
ジェシー・アイゼンバーグの演じ分けが見事な、不条理サスペンスの良作。
太陽の光が一切ない映像、昭和歌謡が絶妙にマッチする非現実的なレトロ感、恐ろしく速いカット割とセリフ回し、などなどシュールで不気味な緊張感が終始観客を不安にさせてくる。
特別な何かになれない"幽霊"たちの、アイデンティティをめぐる狂騒的スリラー。
ちょっとだけ洋画謎日本要素のおまけつき。