とがり

嗤う分身のとがりのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
4.0
地下鉄、自分以外いない車両に乗り込んでくる男。自分の前に立って一言、「ここは私の席だ」

窓のないオフィス。ひたすらデータを入力する。もう7年も勤めているのに、上司には名前も覚えてもらえない。

夜の自室、望遠鏡を覗き込むと向かいのマンションに見える人影。手を振って飛び降りる自殺者。

ある日現れる、自分と同じ顔の男…

ジェシー・アイゼンバーグの演じ分けが見事な、不条理サスペンスの良作。
太陽の光が一切ない映像、昭和歌謡が絶妙にマッチする非現実的なレトロ感、恐ろしく速いカット割とセリフ回し、などなどシュールで不気味な緊張感が終始観客を不安にさせてくる。
特別な何かになれない"幽霊"たちの、アイデンティティをめぐる狂騒的スリラー。

ちょっとだけ洋画謎日本要素のおまけつき。
とがり

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