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ホドロフスキーのDUNEのtanayukiのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
4.0
壮大すぎて収拾がつかなくなったボツ企画を振り返る同窓会的ドキュメンタリー作品。ホドロフスキーが尖った才能の持ち主に声をかけて仲間に招き入れる話は、七人の侍のスカウティングシーンを思わせる。

大切なものを取り上げられた喪失感と痛みを乗り越えるのに時間はかかったかもしれないが、当時の関係者が思いの外楽しそうに振り返っているのが強く印象に残った(それでも時に怒りが込み上げるのは当然だ)。おれもいつか笑って自分の挫折を振り返ることができるだろうか。

ポドロフスキー「誰もが私に聞いた。『何のために子供の精神を鍛えて超越した人間に変えようとするんだ?』『創造力を覚醒させるため』と私は答えた。精神を解放する。それが狙いだった。私が子供の人生を変えたかはわからない。なぜ息子を犠牲にしたのかと自分でも思う。でもあの映画を作るのに自分の腕を切る必要があれば、当時の私は喜んで腕を切っただろう。私は信じていた。人々の意識を変えるような映画を作ることは神聖な使命で、自分を犠牲にする必要がある。命を捧げる覚悟だった」

△2019/12/14 アマプラ鑑賞。スコア4.0
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