ふじこ

7番房の奇跡のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

これはファンタジーに分類しても良いかな、個人メモではそうしておく。

知的障害者の父親と幼い娘。ある日父が居合わせただけの死亡現場で犯人に仕立て上げられ刑務所へ送られるところから話が動き出す。
(全部観終わった後だと理解出来るけれど、本作の始まりは意味が分かり辛くて良くないと思う)

障害者故に馬鹿にされるも、ひょんな事から房の主の命を救い、更には刑務所内の課長(実務の責任者)の命を救った事から最愛の娘イェスンと刑務所の中での交流が続く。

観ながら(ファンタジックコメディドラマだな)と思ったので泣くことはなかったけれど、出来自体は悪くなかったんじゃないかと思う。
何より房の仲間のキャラクターが立っていて、嫌いだなあって人が居なかったのが良かったかなあ。

ファンタジックな要素は除いてこれはなぁってところは、どうしたって比較してしまう[ I am Sam ]の存在。素晴らしすぎるショーン・ペンの演技と子役ながら圧倒的演技力だったダコタ・ファニングの知的障害者の父を持つ親子と言う同テーマ。
構成も演技も高水準だったあちらに比べて、こちらの父親であるイ・ヨング役の演技力の差と、6歳程度の知的水準と設定されながらそれがブレている感じが気になってしまった。
死刑執行当日の、はいここで泣いてどうぞ、みたいな過剰な音楽と演技も逆に冷めてしまう。
いくらファンタジーとは言え、気球のシーンは夢か妄想かと思ったらそうじゃない感じ…?
裁判シーンも一方的に感情を押し付けただけで明確な証拠を出すシーンは省かれてしまって、やりすぎな点がとにかく勿体なかったなあ。

子供のイェスン役であるカル・ソウォンちゃんはとにかく愛らしくて、演技力の面でも問題なかっただけにもったいなかったなぁ、と言う印象。
でも悪い映画ではないので、観て良かったと思う。
ふじこ

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