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胸騒ぎの恋人のcoroのレビュー・感想・評価

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
3.9
恋の数だけ傷つき、それを払拭することの出来ない心優しいフランシスと、ヴィンテージをこよなく愛するマリー(知能指数の高さが運命を否定する)。古くからの親友ふたりが同時に運命を感じるひとりの男性に出会ってしまう。
60年代風の音楽やファッションに包まれながら青春を戯れる3人の脇で、風変わりなズームの寄り引きを交えながら挟まれていく片想いの記憶が、妙にクセになる不思議な雰囲気を醸し出している。

知らないうちに人を傷つけている台詞や、自虐的な台詞なすべてが魅力的で、その台詞の後には必ずブラックアウトの波(ギロチンのよう)が、その哀しみを飲み込んでいく。何度も繰り返されるブラックアウトにもめげず、運命の人に近づこうとするふたり。愛想笑いをしているのに苦笑いに見えてしまうふたり。古い思い出が記憶となって消えてしまわないふたりが、なんとも言えず可愛い。
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