OASIS

オーバー・ザ・ブルー・スカイのOASISのレビュー・感想・評価

3.8
ブルーグラス・バンドのバンジョー弾きと自身の体にいくつもの彫刻をきざむタトゥー・デザイナーが恋に落ちるが、生まれた子供に重い病気が発覚した事から二人の間に亀裂が生じていく、という話。

幸せの絶頂と絶望のどん底という対称的な形が交互に描かれる「ブルー・バレンタイン」のような構図で物語は進みますが、合間に何度となく流れるカントリー調のブルーグラス・ミュージックの優しさが耳に残る映画でした。

この音楽達は、重い題材の中で一種の清涼剤的な役割も持っているし、歌詞にもしっかりと意味合いがあります。
悲しみや喜びといった感情はもちろんの事、愛や赦し、現実の辛さや希望、宗教の違いによる信仰心のあり方等、この世の全ての想いを言葉にして唄いあげます。
なので、劇中で流れる歌の全てが心に響いてくるし、全てが耳に心に強く流れ込んできました。
逆に言うと、ミュージカルのように全てを歌で表してしまうクドさがあると言えなくもないですが。

徐々に近づいていく二人の距離と、反対に遠ざかっていく二人。
困難な役を演じ分けた二人はもちろん素晴らしいし、とりわけ歌の力強さを改めて感じた作品でした。

@シネ・リーブル梅田
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