TAK44マグナム

Seventh CodeのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
3.5
前田敦子の同名シングル曲のPVとして製作された60分の中編映像が賞獲ったりしたために限定公開されたもの。
脚本・演出がなんと黒沢清なので、当然ながら普通の内容ではないのです。
前田敦子と鈴木亮平のマーシャルアーツが炸裂する、とんでもないものだったのです!

たった一度、会食しただけの関係ながら相手の男(鈴木亮平)を、はるばるロシアまで追ってきたあっちゃん。
つきまとわれて困った変態仮面・・・じゃなかった亮平に置いてけぼりにされたあっちゃんは、更に謎の二人組によって袋詰めにされて放り出されてしまいます。
全財産を無くしたあっちゃんは日本人がやっているレストランに転がり込みますが、そこでも執拗に亮平を追い求めます。
ここまでくると、「こいつただのキチガイストーカーなんじゃないのか?」と勘繰ってしまうどころか、「きっとそうに違いない!」と断言できるほど、あっちゃんから不穏な空気が・・・
というか、亮平の身辺も何だかおかしい。
あっちゃんは何故かロシア語に堪能だし、何故か秘密の解除番号を知っていたりするし、亮平は亮平で怪しげなマフィアみたいな連中とつるんでいるし・・・
こちらがわけわからないストーリーにほとほと弱りはてた頃、道をトボトボ歩くあっちゃんに気付いた亮平が「俺のマンションに来るかい?」と誘ってくれます。
これはマンションでピンク色な事態が起こり得るのか?と、ちょっと淡い期待を抱いてしまったのも束の間、驚愕の超展開が待ち受けていたのです!

ふう・・・
なんじゃこりゃ(笑)

投げやりなラストもスゴイ。

PVなんで説明不足なのは許容範囲だし、雰囲気で見せているのも正解でしょう。
前田敦子は決して美人ではないけれど、本作では不思議な魅力をはなっております。
身のこなしは緩い感じですが、鍛えればアクションもイケそうな逸材だったとは知らなんだ。
よく考えればダンスとかやっていたわけだから素養はあるのかしらん?

それにしても、全編オールロシアロケで、黒沢清や鈴木亮平を使っているなんて、けっこうお金のかかったPVですなあ。
肝心の曲自体は、至って普通のアイドルの曲にしか聴こえなかったけれども。

なんでもいいけど、レストランのオーナーはもとより、親切なトラックの運ちゃんが可哀相すぎるなあ。


huluにて