こなつ

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのこなつのレビュー・感想・評価

3.8
ロマンティックコメディを得意とするリチャード・カーティスの脚本・監督作品。ファンタジーラブロマンス。

同じくリチャード・カーティスが脚本・監督をした作品には「ラブ・アクチュアリー」がある。脚本では「ノッティングヒルの恋人」や「ブリジット・ジョーンズの日記」など素敵な世界観で描かれている作品が多い。

胸がキュンとなるラブロマンスといえば、必ず10位以内に入るこの作品は、以前から知っていたのだが、ファンタジーに苦手意識があったためあまり興味が湧かなかった。

最近、邦画でもファンタジー要素の強い作品が多く、その中から伝わるメッセージに心動かされることもしばしばあり、あまりファンタジーだからと敬遠しないで観てみようという気持ちになって鑑賞。

ありきたりの今日が大事、愛や人生の尊さを教えてくれる作品。モテたことのない若い男性の視点から語られる愛の物語。

イギリス南西部の海辺の町に、両親、妹、叔父と仲良く暮らす地味でオタクな若者ティムが主人公。恋人もいないティムが21歳の誕生日に、一族の男性に代々備わっているタイムトラベルが出来る能力について父親から聞かされる。その能力を彼女を作ることに使おうとタイムトラベルを繰り返すうちに、どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避するのは不可能だという重要なことに気がついていく。

失敗すれば過去に戻り、何度も何度もやり直せば自分が望むものは手に入り、彼女だってできて、幸せな結婚だって出来る。そんな魔法の力があっても解決出来ない問題が起きた時、何気ない普段の日々がかけがえのない時間であることを知り、毎日最後の日だと思って過ごすことでもっと楽しんで生きていけるということを知る。

ティム役のドーナル・グリーソンがヒョロヒョロして頼りない、いかにもモテそうにない若者を自然体で演じている。父親役のビル・ナイと過去に戻って過ごす二人の姿が眩しく切ない。
ティムと結婚したメアリー役のレイチェル・マクアダムスがキュートで愛らしかった。

家族の絆や大切な人への思い、生きることの素晴らしさを教えてくれる良作です。心がほっこり、温かくなりました。
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